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しんで覚えるC言語
しんで覚えるC言語

何もしないプログラム

C言語の構造
これから、C言語によるはじめてのプログラムを作ります。
しかし、始めから色々な機能を持つプログラムを作成することは不可能なので、
まずは、何の機能もない、何もしないプログラムを作ることから始めます。

ところで、C言語のプログラムを作るのに、どんな知識が必要でしょうか?
何を作るにせよ、その構造を知らないと作ることは出来ないでしょう。
本棚を作るには本棚の構造を知っている必要がありますが、これはC言語でも同様なのです。

では、C言語の構造とは、一体どのような構造なのでしょうか?
機械を作るときは、さまざまな部品を組み合わせて作ります。
同じように、プログラミングでも部品を組み合わせます。この部品のことを関数と呼びます。
つまり、C言語のプログラムは、関数が集まって作られているのです。

C言語プログラムの構造
C言語のプログラムは、関数が集まって作られている。

ここで注意することは、関数の並びではなく、関数の集まりという点です。
並びと言う場合、それは順番を持っていることになります。
しかし、集まりと言う場合、それには順番はありません。

C言語の関数には、1部の例外を除き、順番の概念がまったくありません。
C言語のプログラムの構造は、さまざまな関数がひとかたまりになった構造で、
それぞれの関数は、好きな順番で使用できます。
関数の作り方
C言語のプログラムの構造は、関数の集合であることがわかりました。
すると、次に問題となるのは当然、関数の構造です。

C言語の関数は、非常に明確な構造を持っています。次が、C言語の関数の構造です。

関数の構造
型名 関数名(引数){処理}

型名とは、関数が計算結果を返す時に使う数値の種類のことです。
ここでは、とりあえずint(イント)という型を覚えてください。
intとは、整数を意味しています。

関数名とは、文字通り、関数の名前のことです。
この名前のつけ方には、下のような決まりがあります。

名前の規則
1、半角アルファベット、半角数字、半角_(アンダーバー)が使える。
2、1文字目には、数字を使うことは出来ない。
3、あらかじめ決められた予約語は使用することが出来ない。

予約語とは、C言語の中で使われているキーワードです。
ただし、この予約語の数は少ないので、あまり気にすることはありません。


先ほどの条件を満たしていれば、どんな名前でもかまわないのですが、
今回はとりあえず、main(メイン)という名前を使ってみることにします。

予約済み識別子
C言語では、予約語の他、予約済み識別子も名前として使用できません。
予約済み識別子は、内部で使用される名前のことで、
アンダーバーに大文字が続く名前は使用できませんし、
C言語で標準的につかわれる名前も使用できません。

引数とは、関数に渡す数値の種類のことです。
関数は、渡された数値を元に計算を行って結果を返すことができます。
しかし、始めに述べたように、今回の目的は、何もしないプログラムを作ることです。
何もしないプログラムに、情報を渡す必要はないでしょう。
そこで、情報がないことを表す、void(ボイド)を使用することにします。

処理とは、その名の通りの処理のことです。
始めに述べたように、今回の目的は、何もしないプログラムを作ることなのですが、
今回、唯一しなくてはならない処理として、関数を終了させる処理があります。
関数を終了させるには、return(リターン)文を使用します。
なお、return文には計算結果の数値を返す機能があるのですが、
今回は何もしないプログラムなので、とりあえず0にしておきます。

以上のようにして、次のような関数が完成しました。

ソースコード
 int main(void) {return 0;}

なお、いまだ説明していない{}や;については、あとで説明します。
main関数は特別
さて、早速、完成した関数を使ってプログラミングをしてみたいと思いますが、
しかし、その前に、もう1つだけ知っておく必要のあることがあります。

1項では、関数には順番は存在しないと説明しました。
しかし、これでは、1つ困ったことが起こってしまいます。
1番最初に、どの関数から目をつけていけば良いのか、迷ってしまいます。

C言語では、この問題を、非常にシンプルな方法で解決しています。
C言語では、mainという名前の関数が、1番始めに動作すると決められています。

main関数の意味
C言語のプログラムは、関数が集まって作られている。
C言語では、main関数が1番始めに動作する

もし、プログラムの中にmain関数がどこにもなかった場合、
1番初めの関数がなくなってしまうので、そのプログラムは動作できません。
逆に言えば、main関数さえあれば、C言語のプログラムは動作できるのです。

先ほど作成した関数は、名前がmainになっているので、
この関数があれば、プログラムを動作させることができます。
プログラムを動作させる
それでは、早速、プログラムを実行させてみましょう。
これが、今回作成した、何もしないプログラムです。

ソースコード
 int main(void) {return 0;}

このプログラムを、コンパイラの解説にしたがって打ち込んでください。
ただし、ブラウザのテキストをコピーして貼りつけてはいけません。
プログラムの打ち込みに慣れるためにも、キーボードから打ち込んでください。

コンパイラをまだお持ちでない人はこちらからダウンロードしてください。
学習用C言語開発環境

打ち込んだら、早速動作させてみてください。
このプログラムの実行結果は、次の通りになります。

実行結果

何も表示されていないみたいです。おめでとうございます!
何もしないプログラムを作成するという目標通りの結果になりました。
なお、多くの環境では、色々なテキストが表示されると思いますが、
それらはプログラムの動作とは関係ありませんので無視してください。


本サイトについて

苦しんで覚えるC言語(苦C)は
C言語入門サイトの決定版です。
C言語の基本機能を体系立てて解説しており、
市販書籍と同等以上の完成度です。

第0部:プログラム概要編
  1. プログラムとは何か?
2章:プログラムの書き方
  1. 書き方のルール
  2. 書き方の慣習
  3. 練習問題2
3章:画面への表示
  1. 文字列の表示
  2. 改行文字
  3. 練習問題3
6章:キーボードからの入力
  1. 入力用の関数
  2. 入力の恐怖
  3. 練習問題6
9章:回数が決まっている繰り返し
  1. 繰り返しを行う文
  2. ループ動作の仕組み
  3. 練習問題9
10章:回数がわからない繰り返し
  1. 回数不明ループ
  2. 入力チェック
  3. 練習問題10
13章:複数の変数を一括して扱う
  1. 複数の変数をまとめて扱う
  2. 配列の使い方
  3. 練習問題13
20章:複数のソースファイル
  1. 最小限の分割
  2. 分割の定石
  3. 練習問題20

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