先日、マイクロソフトから「Windows Me」が発表されました。
「よーし。早速我が家のパソコンにも導入するぞー」という方。
果たして「Windows Me」は購入する価値があるのか。
しっかり確認してからでも遅くはありませんよ。
まず、「Windows Me」の概要をさらっと並べてみましょう。
・ 一般家庭用のOS。(「Windows 2000」は企業やプロ向け)
・操作性の簡略化。
・デジタルマルチメディア機能の強化。
・「Windows 98」以上のインターネット環境。
これが、「Windows Me」の基本テーマとなっています。
つまり、「インターネットやゲームが目的の初心者」用OSだといえます。
仕事に使っている人は、Windows Meに乗り換える必要はないでしょう。
しかし、これだけでは情報量が少ないので、新機能を中心に考えてみましょう。
システムの復元機能
標準でシステムのバックアップをとる機能が用意されています。
自動的にシステムを復元してくれるわけではないので。あしからず。
具体的な方法は、スタートメニューの「アクセサリ」-「システムツール」の
「システムの復元」を選び、ウィザードに従って操作するだけです。
どこかにシステムのバックアップがとられます。
コンピュータが調子悪くなったときには、同じようにして元に戻すだけです。
Windowsは不安定なOSなので、この機能は非常にありがたいものといえます。
また、自動的にシステムファイルを修復する機能も備えています。
スマートメニュー
「Windows Me」にももちろんスタートメニューがあります。
この「スタートメニュー」便利は便利ですが、
使わないアプリケーションまでごっちゃごっちゃになっていることが多く、
アプリケーションの多いパソコンでは恐ろしいまでです。
いままではユーザーがこれを整理して使いやすくまとめていましたが、
「Windows Me」よく使うアプリケーションだけを表示し、
ほかのアプリケーションは普段は表示しない。機能が付きました。
いちいち整理する手間が省け便利です。
ZIP書庫ファィルの圧縮・解凍
「Windows Me」では圧縮ファイルの操作が標準でできるようになりました。
対応形式は「ZIP」。ZIPファィルは「圧縮フォルダ」扱いになり、
エクスプローラと同等の操作が行えます。
しかし、個人的には「LZH」に対応していないので、
ほとんど無駄な機能だといえるでしょう。
日本では「LZH」が全国的に普及しています。
また、「ZIP」と「LZH」はできれば同じソフトで扱いたいものです。
しかし、「Windows Me」は「ZIP」のみ対応「LZH」は扱えません。
「ZIP」ファイルには「Windows Me」の機能を使い、
「LZH」はほかのソフトを使うというのではめんどくさいだけです。
そもそもこういう機能は「Windows 98」の時点でついているべきもので、
いまさら遅いという気がします。
この機能は日本人には役に立たないのではないでしょうか。
ビデオ編集ソフト
「Windows Me」では標準で「ビデオ編集ソフト」が搭載されています。
「ビデオ編集ソフト」とは、動画を扱うためのソフトです。
テレビ映像を取り込んで加工したり、ビデオテープに録画したりできます。
ごく低機能ながら、初心者が扱いやすいように操作性が考えられています。
しかし、「ビデオ編集」はあまり初心者がやるものとは思えませんし、
「ビデオキャプチャーボード」のないパソコンでは意味はなさそうです。
「ビデオキャプチャーボード」のついているパソコンがあったとしても、
普通はボードに「ビデオ編集ソフト」が付属しているので、
「Windows Me」の「ビデオ編集ソフト」は特に必要ありません。
「Windows Me」の「ビデオ編集ソフト」 は「おまけ」です。
マイピクチャ
「Windows 98」にあった「縮小表示」の拡張版です。
エクスプローラから画像を一覧表示、拡大縮小や回転ができます。
また、画像ファイルを順番にスライドショー表示したり、
スクリーンセーバーに設定することもできます。
これらの機能はいろいろなオンラインソフトでも実現できますが、
「Windows Me」に標準でついていれば簡単に使えます。
この機能が便利な人は多数いると思います。
・Internet Explorer 5.5
・Windows Media Player 7
・Outlook Express 5.5
・MS-IME 2000
と、ざっとこんなものです。(ほかにも少しあります)
しかし、 「MS-IME 2000」以外は「タダ」で手に入るソフトなので、
別にどうでもいいような気もします。 多くの雑誌の付録などに
Internet Explorer 5.5,Windows Media Player 7,Outlook Express 5.5
といったものはついています。
これもあくまで、「おまけ」だと考えても問題ないと思います。
わざわざ 「Windows Me」を買おうとは思わないので、
パソコン店で試しに使ってみました。
さすがに一時間近くも使っていると店員に変な顔をされてしまいました。
で、感想ですが、
まず第一に「遅い」。とにかく遅い。
そのとき使ったパソコンはCPU ペンティアムの700、メモリー64なので、
決してぼろパソコンではありません。
「Windows Me」導入前に、パソコンのアップグレードが必要です。
たとえ「Windows 98」が快適に動くパソコンでも、
「Windows Me」だとかなり遅くなってしまいます。
また、「ファィルの検索」が不便だと感じました。
エクスプローラの中から検索ができるのですが、これがじゃま。
今までのように検索した方が、はるかに使いやすいと個人的に思います。
わざわざ 「Windows Me」にする必要はない。
というのが僕の結論です。
はっきり言ってたいしてありがたい機能もない上に、操作が重くなるだけ。
これでは「Windows 95」のほうがまだましに思えてきます。
個人的評価では100点満点のうち「0点」をつけます。
ただし、これは僕の場合です。人によっては価値があります。
どんな人がアップグレードするべききかまとめました。
「Windows Me」にした方がいい人
・かなり性能のいいパソコンを持っている人。
CPUはPentiumかAthlonの 1GHz 、メモリーは128MBぐらいのパソコン
・ビデオ編集をやりたい人。
・とにかく「Windows Me」じゃないと嫌だという人。
・金に余裕のある人。(30万円ぐらいはドブに捨てても平気なひと)
・あたらしいソフトをインストールするたびにパソコンがおかしくなる人。
そういう人は「Windows 2000」の方がいいかもしれないけど。
「Windows Me」にしない方がいい人
・仕事中心にパソコンを使っている人。遅くなるだけですから。
・「Windows 98」や「Windows 95」で満足できる人。
・性能の悪いパソコンを持っている人。
・貧乏な人。
・パソコントラブルが起こったときに自分一人で解決できない人。
・流行や雑誌の記事に流されるのが嫌いな人。
・企業で使っているパソコンの場合。手間と時間と金の無駄。